第43期棋聖戦挑戦手合-第一局

第43期棋聖戦挑戦手合の第一曲が行われました。
井山棋聖に山下挑戦者が挑む、今年最初のタイトル戦。
ニギって山下挑戦者が黒番で始まりました。

対局棋譜動画

観戦感想

序盤の立ち上がり


黒は左上の厚みが非常に強い形
白は右上隅位以外の三隅を一応確保して地合は先行しているかんじですね。
白△の割り打ちから戦闘が始まりそうに見えます。

一日目の封じ手前まで


右辺で始まった白22までで一応の分かれに。
もっと急戦になるかと思いましたが、黒1から黒5まで
黒白どちらもじっくりと腰を下ろして長期戦になりそう。
黒23が一日目の最後の手。
封じての予想は左右どちらかからのハネかノビの三択が有力でした。
私は、左からのハネ(14-二)かなと思ってました。

白の封じ手


封じ手は白△のハネでした。
ハネられた黒はどうするのでしょう?

上辺黒生き白のシノギは?


少し進んで白△まで、上辺の黒が生きて白が△と守ったところ。
黒のゴリゴリっぷりが我々アマの必死に生きるっぽくて
ちょっと意外でした。

もちろん黒が押し上げたあとは必然手みたいなものですから
こうなるようなものですけど。
黒が生きた以上今度は白がシノギに回りますが、
生き筋はもちろんあるのでしょうが、あんまり左には行きたくない感じがしますね。

本局の分かれ道


ハイライトはもう少しあとなのですが、
個人的に第一局の最大の分かれ道だと思った局面です。
黒の△の押さえに白がAと切るかBと抑えるかの二択ですね。
Aに切れば中央から下辺巻き込んでの乱戦ルート。
Bにすれば一応息の長いヨセ勝負。
井山棋聖の選んだ手は・・・

渋い手


井山棋聖の選んだのは白Bでした。
ヨセで行けるという計算ですね。

少し進んで白△まで左下隅をハネツギした場面。
これで地合で行けると判断したという
幽玄での解説曰く、とても渋い手だそうです。

黒投了


経過を飛ばして投了図まで。
地合が厳しい白が下辺手抜きで、左上隅を決め、
左辺を一杯まで踏ん張りましたが、
白Aのノゾキから白が荒らしに行き、白Cの切りから
急転直下に一気に終局になりました。
下辺白を攻める際の、じっくりと構えた黒Bが結果として緩手となったみたいでした。

結果は、白の井山棋聖の中押し勝ち。
まずは、タイトルホルダーの井山棋聖が一歩リードです。
第二局は、10日ほど空いて、1月21日(月)22日(火)にかけて行われます。
次局も楽しみですね。

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