KGS対局 白番 九子局 指導碁-評価のポイントと中央の折衝の検討

白番九子局-kgs007KGS対局 白番 九子局の指導碁です。

感想というか指導してる上での各所の折衝や黒の打ち方の評価と
局後に質問された中央の折衝について解説をしています。

対局棋譜動画

対局中の感想と評価など

正規の手合いならば六子ぐらいですが、九子を希望されたので九子局です。
白1・3・5。九子局での白のよくある手段。
黒がどのように打ってくるのかを見ています。

捨ててくるもよし、いきなり接近戦でもよしと相手次第で受け方を変えます。
黒6は半分捨ててるかんじかな?
白7でとりあえず切断に向かってみる。
黒8に白9と切って以下黒20まで。

白は一応上辺を取っている形だが、上辺黒2子はまだ若干動く余地がある。
黒は、左上から中央側に厚みを作り、一応白を止めている。
右辺側も厚いので両方うまく打っているかんじ。

白21と右辺をどうしたいのかと様子見。
黒22で右辺半分は黒地化。

白23-31まで左下で構えつつ下辺黒か左辺の打ち込みを狙っている。
黒32と左辺を構えたので白の狙いは下辺の黒一本になった。

白33から37までで、白がとても薄い形で包囲にもっていく。
黒36は白21のカタをつくのもアリだったかも。

白39からが本局ハイライト。
普通なら白39では41とボウシするのがパッと思いつくが、
黒42にツケられるとうまくいかなそうなので少しでもまぎれそうな白39から臨んでみた。

白43はもう一本伸びるかとても迷った。
白45は一路下のほうがよかったかな。
以下黒70までで中央の黒が生きた時点で黒の勝ち。

ざっとこの時点で黒が70目は優勢。
以降ある程度削りはしたものの、中央生きた分の差で
黒の38目半勝ちです。

黒のリードを守る上での好手の評価

実戦中での黒の九子のリードをしっかり守っている手をまとめます。
黒16 中央への白の侵入をとめ左辺と連絡している好手
黒20 右辺側を盛り上げている手
黒22 右辺半分をほぼ黒地確定させている
黒24・26・32 左辺を固めている好手
黒90 右辺の確定化で好手
黒102 やや硬いが右下が万全に
黒104 左辺の打ち込みを防いで好手

中央の折衝について

局後に感想で中央の黒をわざと生かされた気がするといわれたのでそのあたりを解説。

おそらく白53あたりまで黒が完全に分断された形のあと
白が黒の手に素直に応じたことを言われたと思うのですが、
この時点で包囲している白は非常に薄い形です。

白番九子局-kgs007-1ざっくり図に示すとAからDまで弱点があります。
特にAが一番の弱点で、包囲しているように見える白は、
逆に5つぐらいに分断される危険があります。

実戦手順でいう白77(Aの横)と黒78を交換して補いたいのですが、
中央の黒の死活が問題のこの局面で白77の交換が利くとは思えません。

よってキられるのを覚悟して打つしかない状態です。
黒54に白55の受けは必須です。

白番九子局-kgs007-1例えば白1などと形を整えつつ攻めようとしても
黒2の下がりから黒6のコスミで連絡されてしまいます。

連絡を遮ると白29の1子取りからAのキリでどちらかが落ちます。

白番九子局-kgs007-3次に黒56に対する白57。
右下との連絡を遮る手ですが、悪手でした。
黒1から3の出切りでそれまでです。

白番九子局-kgs007-4黒58から黒66までも受けるしかありません。
白67はミスで白69に打つのが正解です。
黒1-3の手がありました。

白番九子局-kgs007-5そして、白67で正しく白1と受けた場合は黒2-黒10までで無条件生きです。
なお、黒10はで黒11に切る手もあり、こちらなら白が全滅します。

まとめると、これら白が崩壊する図がたくさん浮かんでくる状態の中で、
黒を無理にとりに行くことができず、実戦の黒の着手でも白は抵抗ができない状態なので
黒の大石が生きるのはしょうがないといったかんじでした。

中央が終わった後は若干硬すぎる打ち方でしたが、
リードをしっかり守る打ち方だったので問題はないと思いました。

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