あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
では、さっそく年の瀬に受けた
矢田プロの指導碁の自戦解説に入ります。
対局棋譜動画
対局感想など
白1のカカリに黒2のコスミツケは九子局の基本。
固くケイマに受ける手もあるが、九子の石を少しでも攻めに働かせたい。
以下白5までは定型。黒6が一応分岐点にはなるかな。
黒6ではこのコスミ他に鉄柱(10-十七)・黒8と単に一間に飛ぶ手などがある。
白の根拠を奪うために黒6を選択。
白7のケイマに黒8から黒10のツケノビ。
白11のツギに黒12と曲がって下辺を厚くしておく。
白13と構えられてとりあえずは治まりか?
黒14とシマリ下辺~右辺にかけての地模様を構築。
黒14では次譜の白15(4の十二)と左辺を固く守る手もあった。
白15は黒が守っていないのだから、まず来るだろうと思っていた。
黒16からツケヒキで形を整える。白19には手抜き。
黒20はふんわりバランスを取ったつもりの感覚で打った手。
善悪はちょっとわからない。
左辺周辺は気になるところだけど、
たとえば(3の十)などに打つと(二の十一)に下がられたりするので論外。
左下を気にして手堅く打つとするなら(2の十一)に黒からハネだけど。
自分から左辺を痛めることはないと思う。
置き碁で白からやるなら三々(3の十七)だけど、
白13と15のケイマの薄みなどを見て頑張れるはず。
白21は、削減の手ですね。
黒22のハネに白23はサバキの手段。
黒24で黒25と当てたくなりますが、紛れるので黒24と固くツギ白31まで生きてもらいます。
黒32は緩手だったかも、
もしここに打つなら一路右(11の十二)に、伸びきったほうが形がピンとしていてよさそう。
次いで白33の打ち込みも怖くはない。
黒34からコスミツケ>黒36の飛びで下辺から中央を地模様化してよい。
白37のツケに対する受け方で少し迷った。
実戦の様に黒38(抜き後の17の四)のハネか黙って黒40のハネか?
迷ったけど、結果先手になる黒38のハネを選択。
白39のキリ違いから黒45の抜きまでは相場の進行だと思う。
黒46と左上をシマってしっかりゴールを目指していく。
白47の三々から、先ほど述べた左下からの折衝が始まる。
ここをしっかり打ち切れれば星目のお手本譜になるのだけど・・・
黒48の下がりは、気合の面から絶対で、白49にも黒50としっかりツギます。
白51のコスミに黒52のツケが考えていた対抗手段。
白53のハネに黒54とカケツギから黒58と出切って
被告は白ですよとプロ相手に言ってみるわけです。
もし読み違っているなら、左下一帯が全滅するわけですが、
まぁそうなったらなったでそれも勉強です。
白59の二子アテにも黒60とツギます。(黒62のハネだしを打つために必要)
白61と2目は取られましたが、黒62から黒66のキリが成立。
白67には黒68と下がり、ここはどうやっても攻め合いは黒の一手勝ち。
白69のアテから逃げ出す白を黒70からじっくり追跡。
途中黒78と白79は今交換した方がいいかなと決めておきました。
白85と飛ばれて次譜が、自分では決めにいったつもりで失敗したと思う
本局で一番悔しいところです。
個人的に本局ハイライトです。
それがこの白85のボウシに黒86のツケから黒90のアテ返して黒92とノビて、
強引に白を分断した方法。
中央に二眼作れるかどうかが微妙なところ。
白93のノビに黒94が最初の失着。
もうちょっといい打ち方があったと思うのは後で解説。
次に、白97に黒98が2回目のミス。
ここは絶対に黒で99の場所に打つべきだった。
理由は簡単で、白101に黒102とノビなければいけないから。
黒102のノビなければいけなくなって、以下白103から白109までコウにされてしまいました。
で、結果から言えばコウは負け。
下辺の攻め合いところを利用されて、白がコウ材豊富。
ここで悔やまれるのが黒78と白79の交換。
これがなければ1コウ差で勝てたか、
もしくは白55から下の白8子ぐらいは連打でとれたかもしれません。
黒126は結果から小さく。白127とコウを解消されてしまいます。
黒128から黒132の下がりが後続手段で、これで右下を殺せていると考えていました。
後で解説しますが、セキ生きがありそうです。
白133前後で右下に自信がなくなり、はっきり動揺しています。
黒134のツギに白135わたりに、打ちミスで黒136と放り込んでしまいます。
これは完全に打ちミスですが、実際は単に黒142ノビならチャンスがあったかも。
後述で解説します。
白139から白141の出切りで形の不備を突かれて窮しています。
黒144で何とか耐えてますが、白145で右下の生きが確定。
白141のキリ一本で右辺の黒地の削減も白の権利になりました。以下はヨセです。
黒1(実践譜黒146)からヨセです。白4以下白10までは白の権利。
黒11と黒13はともかく、黒15は小さく、黒15では白16へ打っておくべきでした。
左上から左辺をまとめて黒地にできていれば、もっと大差になっていました。
白16から左上隅を荒らされますが、黒25では白26のところを繋ぐ方が大きい。
黒27では先に黒で白44のところにコスミ、下がりまで決めたほうがよかったかも。
白40から左辺で動かれますが、黒51まで事件にはならず。
以下終局譜まで。
黒31を決めたなら4子を当てて下がりまで決めたかった。
それと黒85と打った以上黒89では白96の場所に打ち。1目をしっかり取るべきでした。
中盤以降もたつきすぎですが、それでもなんとかのこして黒の14目半勝ちです。
以下検討譜です。
中盤検討実戦黒94はこっちで打ってみたい
実戦では黒は△に打ちましたが、ここでは黒1とハネていきたかった。
白2のハネなら黒3のノビで打ち、白4のカケツギなら黒5とハネる。
ついで、白6などが悩ましいが、黒7棒についで、白8のハネなら黒9で切り違っていいはず。
このとき一番紛れそうなのが白2のツケだけど、
黒3のハネから黒9までが想定図。多少断点があるが下辺突破の図はないと思う。
中盤検討その2、黒98はこちらに打つべき
ついで2度目の失着の黒98(△)。
ここは何がなんでも黒1とついで頑張るところでした。
白2に対して、黒3と打つ手があるはず。
とはいえ、白AやBの点に打たれて、中で2眼生きぐらいはされそうだけど、
実戦のコウにされる形よりははるかにいい図です。
右下隅の検討-白死のはず
次に右下についての検討です。
実戦では黒△にポカで打って台無しにしてしまった右下ですが、
黒1から白2のノビに黒3のツケが成立するはずです。
怖いのは白8から白10の出切りですが黒11とカケツギでいけます。
もしくは、黒1に対して白2のハネも考えられますが、黒3から黒9までで下辺は安全です。
前図の検討ともかぶりますが、白10以下の出切りは黒27までで凌げている。
この形なら、中央突破も無理だし、
右下隅は五目ナカデの白死となると思われます。
実戦時にここまで完璧には読み切れなくとも、
少なくとも右下を死にできるぐらいは読めたはず・・・
以上、かなり長くなってしまいましたが矢田プロの指導碁の
自戦解説と検討でした。
数日後に矢田プロの解説譜も頂けるらしいので楽しみです。