PANDA指導碁 黒番 九子局-矢田プロ指導碁の自戦分析

黒番 九子局-panda008あけましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
では、さっそく年の瀬に受けた
矢田プロの指導碁の自戦解説に入ります。

対局棋譜動画

対局感想など

黒番 九子局-panda008-2
白1のカカリに黒2のコスミツケは九子局の基本。
固くケイマに受ける手もあるが、九子の石を少しでも攻めに働かせたい。
以下白5までは定型。黒6が一応分岐点にはなるかな。
黒6ではこのコスミ他に鉄柱(10-十七)・黒8と単に一間に飛ぶ手などがある。
白の根拠を奪うために黒6を選択。

白7のケイマに黒8から黒10のツケノビ。
白11のツギに黒12と曲がって下辺を厚くしておく。
白13と構えられてとりあえずは治まりか?
黒14とシマリ下辺~右辺にかけての地模様を構築。
黒14では次譜の白15(4の十二)と左辺を固く守る手もあった。

黒番 九子局-panda008-2
白15は黒が守っていないのだから、まず来るだろうと思っていた。
黒16からツケヒキで形を整える。白19には手抜き。
黒20はふんわりバランスを取ったつもりの感覚で打った手。
善悪はちょっとわからない。

左辺周辺は気になるところだけど、
たとえば(3の十)などに打つと(二の十一)に下がられたりするので論外。
左下を気にして手堅く打つとするなら(2の十一)に黒からハネだけど。
自分から左辺を痛めることはないと思う。

置き碁で白からやるなら三々(3の十七)だけど、
白13と15のケイマの薄みなどを見て頑張れるはず。

黒番 九子局-panda008-3
白21は、削減の手ですね。
黒22のハネに白23はサバキの手段。
黒24で黒25と当てたくなりますが、紛れるので黒24と固くツギ白31まで生きてもらいます。
黒32は緩手だったかも、
もしここに打つなら一路右(11の十二)に、伸びきったほうが形がピンとしていてよさそう。

次いで白33の打ち込みも怖くはない。
黒34からコスミツケ>黒36の飛びで下辺から中央を地模様化してよい。
白37のツケに対する受け方で少し迷った。
実戦の様に黒38(抜き後の17の四)のハネか黙って黒40のハネか?
迷ったけど、結果先手になる黒38のハネを選択。
白39のキリ違いから黒45の抜きまでは相場の進行だと思う。
黒46と左上をシマってしっかりゴールを目指していく。

黒番 九子局-panda008-4
白47の三々から、先ほど述べた左下からの折衝が始まる。
ここをしっかり打ち切れれば星目のお手本譜になるのだけど・・・
黒48の下がりは、気合の面から絶対で、白49にも黒50としっかりツギます。
白51のコスミに黒52のツケが考えていた対抗手段。
白53のハネに黒54とカケツギから黒58と出切って
被告は白ですよとプロ相手に言ってみるわけです。

もし読み違っているなら、左下一帯が全滅するわけですが、
まぁそうなったらなったでそれも勉強です。

白59の二子アテにも黒60とツギます。(黒62のハネだしを打つために必要)
白61と2目は取られましたが、黒62から黒66のキリが成立。
白67には黒68と下がり、ここはどうやっても攻め合いは黒の一手勝ち。

黒番 九子局-panda008-5
白69のアテから逃げ出す白を黒70からじっくり追跡。
途中黒78と白79は今交換した方がいいかなと決めておきました。
白85と飛ばれて次譜が、自分では決めにいったつもりで失敗したと思う
本局で一番悔しいところです。
黒番 九子局-panda008-6
個人的に本局ハイライトです。
それがこの白85のボウシに黒86のツケから黒90のアテ返して黒92とノビて、
強引に白を分断した方法。
中央に二眼作れるかどうかが微妙なところ。
白93のノビに黒94が最初の失着。
もうちょっといい打ち方があったと思うのは後で解説。

次に、白97に黒98が2回目のミス。
ここは絶対に黒で99の場所に打つべきだった。
理由は簡単で、白101に黒102とノビなければいけないから。
黒102のノビなければいけなくなって、以下白103から白109までコウにされてしまいました。

黒番 九子局-panda008-7
で、結果から言えばコウは負け。
下辺の攻め合いところを利用されて、白がコウ材豊富。

ここで悔やまれるのが黒78と白79の交換。
これがなければ1コウ差で勝てたか、
もしくは白55から下の白8子ぐらいは連打でとれたかもしれません。

黒126は結果から小さく。白127とコウを解消されてしまいます。
黒128から黒132の下がりが後続手段で、これで右下を殺せていると考えていました。
後で解説しますが、セキ生きがありそうです。

黒番 九子局-panda008-8
白133前後で右下に自信がなくなり、はっきり動揺しています。
黒134のツギに白135わたりに、打ちミスで黒136と放り込んでしまいます。
これは完全に打ちミスですが、実際は単に黒142ノビならチャンスがあったかも。
後述で解説します。

白139から白141の出切りで形の不備を突かれて窮しています。
黒144で何とか耐えてますが、白145で右下の生きが確定。
白141のキリ一本で右辺の黒地の削減も白の権利になりました。以下はヨセです。

黒番 九子局-panda008-9
黒1(実践譜黒146)からヨセです。白4以下白10までは白の権利。
黒11と黒13はともかく、黒15は小さく、黒15では白16へ打っておくべきでした。
左上から左辺をまとめて黒地にできていれば、もっと大差になっていました。

白16から左上隅を荒らされますが、黒25では白26のところを繋ぐ方が大きい。
黒27では先に黒で白44のところにコスミ、下がりまで決めたほうがよかったかも。
白40から左辺で動かれますが、黒51まで事件にはならず。

黒番 九子局-panda008-10
以下終局譜まで。
黒31を決めたなら4子を当てて下がりまで決めたかった。
それと黒85と打った以上黒89では白96の場所に打ち。1目をしっかり取るべきでした。

中盤以降もたつきすぎですが、それでもなんとかのこして黒の14目半勝ちです。

以下検討譜です。

中盤検討実戦黒94はこっちで打ってみたい

黒番 九子局-panda008-11
実戦では黒は△に打ちましたが、ここでは黒1とハネていきたかった。
白2のハネなら黒3のノビで打ち、白4のカケツギなら黒5とハネる。
ついで、白6などが悩ましいが、黒7棒についで、白8のハネなら黒9で切り違っていいはず。
黒番 九子局-panda008-13
このとき一番紛れそうなのが白2のツケだけど、
黒3のハネから黒9までが想定図。多少断点があるが下辺突破の図はないと思う。

中盤検討その2、黒98はこちらに打つべき

黒番 九子局-panda008-12
ついで2度目の失着の黒98(△)。
ここは何がなんでも黒1とついで頑張るところでした。
白2に対して、黒3と打つ手があるはず。
とはいえ、白AやBの点に打たれて、中で2眼生きぐらいはされそうだけど、
実戦のコウにされる形よりははるかにいい図です。

右下隅の検討-白死のはず

黒番 九子局-panda008-14
次に右下についての検討です。
実戦では黒△にポカで打って台無しにしてしまった右下ですが、
黒1から白2のノビに黒3のツケが成立するはずです。
怖いのは白8から白10の出切りですが黒11とカケツギでいけます。
黒番 九子局-panda008-15
もしくは、黒1に対して白2のハネも考えられますが、黒3から黒9までで下辺は安全です。
前図の検討ともかぶりますが、白10以下の出切りは黒27までで凌げている。
この形なら、中央突破も無理だし、
右下隅は五目ナカデの白死となると思われます。

実戦時にここまで完璧には読み切れなくとも、
少なくとも右下を死にできるぐらいは読めたはず・・・

以上、かなり長くなってしまいましたが矢田プロの指導碁の
自戦解説と検討でした。

数日後に矢田プロの解説譜も頂けるらしいので楽しみです。

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