石の強弱に気を付けよう

前回の石が重い重いと言っていた対局譜を振り返って、
軽く検討をしていたときに申し込まれた八子局です。

パンダネットで、コーチングスタッフもやっていますので
たまにこういった多子局の置き碁も打っています。
多子局は上手にもいろいろ勉強になるので、
置き碁は嫌いという人も打ってみるといいですよ。

対局棋譜動画

手合

3級と11級なので8子局。逆コミ5目半までついています。

序盤の感想

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-0
白のカカリに黒のボウシ。
9子局と8子局においては、コスミツケより強いとされる応手ですね。
白を上手に封鎖できればここだけで勝勢が築けます。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-1
進んで、黒がケイマで左辺を囲ったところです。
上辺の白を完全に封鎖ができていませんが、左辺の地模様が固まって黒悪くないです。
このまま普通に進むと下辺も固まってしまいそうです。

中盤下辺の応対

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-2
右下に一本カカってから白△と下辺星下へのツケ。
置き碁や荒らしの常用手段ですね。

この手に慣れていない下手は非常に嫌がりますが、
白とて地合い差を詰めないとどうしようもないところ。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-3
こういう時は大体黒がハネて、白が切り違う形になりますが、
「キリ違い一方ノビよ。」の格言通りに伸びて大体問題ありません。

切り違ったどちらか1子(この場合は白のツケた石)を取って、
片方をしっかり収まるように打つといいです。

実戦のノビは堅実な手で、先ほど述べたように下辺を治まるのを目指す手です。

下辺の変化その1-白が辛いのでない図

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-5
白は下から当てて下辺で生きる手はありますが、二線をハウのが辛いので打ちません。

下辺変化その2-こちらのほうが強いがコウ含み

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-4
ちなみに黒1とこちらを伸びるほうが強い手ですが、
一例ですが、このようにコウになる手もあるのでオススメはしません。

中盤~ラスト

実戦は穏やかな方に進み、黒は1子を取って、下辺左が確定地に。
白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-6
代わりに白に右下の実利を半分取られますが、厚みを作って右辺の1子を取りこんで依然優勢です。
あと1つどこかの折衝でいい具合に分かれれば勝勢ですね。

しかし、ここから黒が、崩れてしまいます。
白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-7
白の三々入りに黒△の抜きが1手パス。
局後の感想では、この辺りでもうヨミが追い付かなくてパニックになっていたらしいです。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-8
難しく考えずに、多少甘いですが、たとえば黒1の押さえ。

白に右辺を与えるのは、やや甘ですが、
黒7と飛んで唯一の懸念の上辺を治まれば問題なく勝ちでした。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-9
もしくは、がんばるなら黒1から押さえて、右辺の白を追い出すのも1手です。
例えば黒11までに白12と飛んで、黒13と煽って白を狙いながら
余得で地を固めていく打ち方も有力です。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-10
そのあと実戦進んで白が△とケイマしました。
結果この上辺の黒が取り込まれて上辺から中央に大きく白地ができてしまい
黒の負けになってしまいました。

黒の敗着周りの解説

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-11

ここの手順が致命的で、黒Aと不急の手入れに白Bと飛ばれたのが、かなり苦しいです。
その後、黒1の飛びと白2の交換もお手伝いです。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-13

ここでは、黒Aと2の交換を打たずに、黙って黒1と飛んで逃げるのなら、また治まれました。
黒5まで飛びあって、黒は死ぬ形ではありません。

白番八子局(コミ-5.5)-PANDA015-12

少し戻って、黒Aでは、黒1とここを飛んでおけば中央ダメ場にして問題なしです。
白4のハネには黒5から当てて、上辺2子を捨てて白8までで先手です。
このあとは中央右側を囲うもよし、左下の白をいじめてもいいです。

ヨセは丁寧に打たれていたので悪くありませんでした。
上辺の石の強弱に気を付けて打たれていれば完敗していたでしょう。

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