年の暮れも迫り慌ただしく日々が過ぎていきますね。
少し前の対局ですが、秋頃から長く続いていた不調からの
ようやくの脱却することができたかなと感じた一局です。
中盤勝負所での手の見え具合や、
優勢になったあとにしっかりと勝ちきることができた
久しぶりに満足のいく会心譜でした。
対局棋譜動画
手合
2級対3級の一局です。
コミは逆コミの5目半。
私の黒番です。
布石序盤(25手)までの感想
序盤、双方足早に展開して各所に火種がいろいろ燻っているかんじです。
黒は、白の右下への詰めに対して勢い下辺に打ち込んだため
打ち込んだ下辺から中央への黒石の一応の安定を図るのに忙しいです。
そのため左辺の開きが打てていないのがやや不安です。
左辺ハサミから一段落まで(39手)
予想どおり白△のハサミがきました。
三々に振り替わってカカった黒石は軽く捨てて
白Aに黒Bと交換してバランスを取っていますが
少し狭い開きなので一路上で黒イと中央重視のほうがよかったのかも。
この一局の勝負所-右上の折衝
前図の後、白が上辺をハネノビたあとの、
黒1のツケが本局の一番むずかしいところでした。
白2のハネに黒3の切り違いから双方のヨミ勝負に。
白が選んだのは白4のアテ。難しいですね。どうなんでしょう?
右上折衝変化
この白4とこちら側からアテるのもあったのかな?
例えば黒5のノビから白6とツギ黒7と渡ると
このあと白がどう打っても黒有利ですが、
白6のツギで…
白6と下がって頑張るともうややこしいややこしい。
黒がAと曲がるかBと切るかですが、
どちらにしても一手一手でいくらでも変化するので、
この変化を選ばれると打ち切れた自信がありません。
右上折衝その2
実戦は白4のアテに黒5と下から当てて実利を取りに行きました。
白8の利かしも難しいところ。保留したほうが白よかったのでは?
白10のキリは手筋に見えますが、異筋です。
黒11のアテが一本利くので、黒15までで取れてます。
一応右辺側に利きは残りますが、
白8の石の対処で忙しいのでおそらく利かす機会はないはず。
白18が失着です。
おそらく白はこの手で上辺を、
すべて渡ったつもりなのだと思いますが
上辺の形に欠陥があるのでこの手では渡れていません。
黒19と押して白20と変わって完全に渡れたように見えますが詳しくは後に述べます。
白が上辺を渡りたいなら白18はこう打つ
もし白が上辺を渡りたいのなら、
白18とトブのが正しく、これなら多少屈服ですが
白22まででしっかり渡っています。
ちなみに、このあと黒が上辺を塗りつけていく変化もまた複雑ですが割愛します。
うまく行けば中央地模様が確定しますが、変化されると
右辺の白石と上辺の黒石の凌ぎ合いになりそうでした。
黒1の押しから白2のハネを誘って黒3の切断。
白4のノビに黒5のキリ一本が手筋で、
上辺の2子は取れています。
つまり切断した黒4子は連絡しているわけですね。
それが見えているので黒7と飛び、黒9と悠々と模様を固めています。
白10と4子を取りにきたので仕上げです。
上辺大利で碁はオワ
黒1のツケが起手。
白2のハサミツケから渡れますが、黒5から白8までダメを詰めて
黒9の下がりが二の矢。白10の下がりが最善っぽいですが
黒11から黒13とダメを詰めて、白14のアテに黒15の放り込みでトドメ。
ダメヅマリのため、白はこの1子を取れず、白16黒17と打ち上げあって
碁は終わりです。
ちなみに黒3で黒4の下がりも成立しますが、物が小さいです。
黒9以降は手順が変わっても結果が同じですが、
黒13で黒15と打った方が綺麗ですね。
このあと白も頑張って打ち続けますが、やはりここでのミスが響いたのか
3回ほどポカをして結果は大差の中押し勝ちになりました。
白がミスなく進んでも黒が盤面10目上は勝てそうです。
秋ごろからあった、うっかり見損じや打ちすぎがなく
ひさびさに満足がいく碁を打てました。